2017年02月20日

トランプの通訳


2月18日付けジャパンタイムズにトランプさんの通訳者たちが苦労しているという記事が載っていました。

一人の通訳者(つるた ちかこ氏)は
He is so overconfident and yet so logically unconvincing that my interpreter friends and I often joke that if we translated his words as they are, we would end up making ourselves sound supid
(彼は自信過剰でそれでいて論理的な説得力がないので、通訳仲間たちとよく冗談を言い合うのですが、彼の言葉をそのまま訳していたら、そのうち、私たち自身がバカみたいに聞こえてしまうねと)

と、おっしゃっています。

こういう心配はオバマ大統領のときには無縁だったようです。

トランプ氏の言葉遣いはこんな風にまで言われています。

In fact, it is no secret that "Trumpese"--as his phraseology is called--is by and large simple, characterized by repetition, easy grammar and elementary-level vocabulary.
(実際、彼の言葉遣いは憚ることなく「トランピーズ」と呼ばれ、それは概ね、平易で、繰り返しが多く、文法も単純で、語彙は小学校程度というものだ)

かなり辛辣ですね。この語彙力、カーネギー・メロン語学技術協会というところで発表した数値によると、大統領の中で最低だというのですが、驚いたのは文法力は下から2番目だというのです。彼より低い大統領がいたの?だれ?となりますよねえ。

The study also described his grammatical level as grade 5.7, the second-worst after George W. Bush, who barely topped the fifth-grade level.
(研究ではまた彼の文法レベルを(7段階評価の)5.7としているが、これはジョージ・W・ブッシュについで2番目に低い数値である。ちなみにブッシュはかろうじて5を超える程度である)

ジョージ・W・ブッシュと言えば、親子二人いますが、きっと息子さんのほうですよねえ〜

ただ、通訳の方々がもっと頭を悩ませるのは、話題があまりにも跳びすぎる(論理を追えなくなるらしいです)ことと、その侮蔑的言葉遣いだということです。

NHKの「ニュースで英会話」でもお馴染みの鳥飼久美子さんもインタビュに応えています。

通訳者としての心構えを次のように語っています
You set aside all your personal emotions and become the speaker yourself. It's a really tough thing, not being allowed to demonstrate your own judgment about what is right and what is wrong. And that's why I quit.
(個人的な感情は脇に置き、話し手自身にならなければなりません。それはとても大変なことです。善悪に関して自分の価値判断を表明することは許されないのですから。それで私はやめました)

鳥飼さんは86年に通訳のお仕事をやめているのですね。

しかし、こういう意見の通訳者(みしま あつし氏)もいらっしゃいます。

通訳の第1の目的は話し手自身として訳すということだと認めながらも

If a certain word is deemed a banned phrase per the policy of a TV station I translate for, I usually tone it down, although I do make my best effort to retain its original impact
(もしある言葉が雇用主であるテレビ局の規則に反した禁止用語にあたる場合、私は通常言葉のトーンを落とします。もちろん、話し手が発したインパクトを保持するよう最大限の努力はしますが)

放送禁止用語に関しては予めテレビ局と対処の仕方を取り決めておいたほうがいいかもしれませんね。特にトランプさんのような人を通訳するときには!

posted by Monterey at 13:00| Comment(4) | Japan Times | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする