今日はミントン氏の「日本人の英文法III」より同等比較as...asの項をご紹介します。
My house is as large as my father's.
氏によれば、これは単に、私の家と父の家を比べて同じくらいの大きさだと言いたいのではないとのこと。それを言いたいのなら、
My house is the same size as my father's.
のような表現方法のほうが自然だろうとおっしゃいます。
A is as 〜as B.
という表現はBが〜だとすでに認められている前提で、Aもそれに劣らず〜だ、と言いたい時に使う、というわけです。ですから、上の例文の場合は、父の家が大きいということは、み〜んな知っているという状況で、僕の家だって実はあれくらい大きいんだよ、と言いたいということですね。なるほど、納得。
だからこそ、Bの部分には「〜を代表する」as white as snowだとかas sober as a judge(裁判官は「しらふ」の代表ですかね!)などという慣用句が生まれるのだ、と。非常に説得力がありました。
また、慣用句以外にも皮肉やユーモアをこめた独創的な表現を自分で作ることができるらしく、こんな例を紹介してくれています。
It's as useful as a snooze button on a smoke alarm.
(煙感知器にあるスヌーズボタンのように役に立つ)
で、要するにスヌーズボタンが役に立たないのは皆さんご存じでしょうが、それくらいに、これも役立たずです、という皮肉だそうです。こんな気の利いた皮肉言ってみたいなあ。
否定文の時はnot as asの代わりにnot so asもよく使われると聞きますが、ピーターセン氏が「教師のためのロイヤル英文法」の中で、as long asやas far asのような慣用表現にも、主節に否定文が来る時はこの傾向があるとおっしゃっていました。
So far as I know, there's no law against it.
(私が知っている限り、それに対抗する法律はない)
最後に、as asを使って独創的な同等級を私も作ってみました。
The part-time teacher's salary is as high as the supporting rate of the prime minister.
(非常勤講師の給料は首相の支持率と同じくらい高い)
なんだか、自虐的、かつ笑点の大ぎりみたいになってきたので、この辺で。
【関連する記事】
実はInaさんからマーク・ピーターセンの本を借りて4冊ほど読みました。読んでいるときは「そういうことか!」なんて思うものの、今思い返してみると何が書いてあったっけ?状態。
ただ読めばいいってもんでもないこともわかりました。自分で気づかなくちゃダメですね。
ピーターセン氏をはじめ、ここにあげた方々の本は、学校の英文法とは違い、「血の通った」英文法だなといつも感心させられます。完了形の形はわかっても、どういう時に使っていいのかわからないなら、役立たずですものね。時々読み返して、いざという時、使いこなせる英文法を習得したいと思っています。
ピーターセン氏の日本語力もすごいなあと尊敬しています。
以前、ブログにコメントをいただいたことのあるやまちゅうです。お世話になっているラジ子さんのブログからやってきました。遅ればせながら、祝・ブログ開設!です。
格調高く、しかもすごくわかりやすい記事を読ませていただき、「as...as」を使うsimile(直喩)の原理とフィーリングを納得しました!ありがとうございます。偶然ですが、私も最近、「as...as」構文について記事を書いたばかりでした(しかしTBができませんでした、スミマセン)。
今後とも勉強させていただきます。もしよろしければリンクさせていただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。
お久しぶりです。覚えてくださって、光栄です。リンクよろしくお願いします。私も皆さんのブログとリンクさせたいのですが、その技術がわからず、ひとまず、このまま行かせていただきますが、やまちゅうさんのブログにも、立ち寄らせてください。今さっそく、as...asを読むために訪問しま〜す。