2013年04月12日

一人反省会


新学期が始まったとたんに、更新が滞ってしまいました。

さて、今回は、高校生が持ってきた入試問題。

人間の先入観が、視界に入る物の大きさや距離感にいかに影響を与えるかという話で、実験をします。

覗き穴から、なにも物がないガランとした廊下(距離感が想像しにくい)を覗き見ます。

If you now show him a piece of white paper in the corridor and ask how large it is, his reply will be influenced by any suggestion you make as to what the piece of paper may be.
(もし被験者に廊下にある1枚の白い紙を見せてその大きさを尋ねた場合、被験者のこたえは実験者が紙について言及した言葉に影響される)

If you tell him that the particular piece of paper is a business card, he will say that it is quite (a).
(もし、被験者に紙が名刺であると言えば、被験者はそれがかなり(a)だと言うだろう)

Show him the piece of paper at the same distance and tell him that it is a large envelope, and he will say that it is (b).
(被験者に同じ距離で紙を見せ、それが大きな封筒だと言えば、彼は(b)だと言うだろう)

この(a) (b)に、nearfurther awayを入れよ、という問題。

質問した高校生は、「名刺は封筒より小さいのだから、小さい紙を見れば、遠くにあると思うし、大きな封筒を見れば近くにあると判断するはずだから、(a)further awayで、(b)nearのはずなのに、答えが逆だと言って、「この問題、変ですよね」と私に尋ねる。

私としては、「実験者の言葉に影響される」というところがポイントで、「小さい」→「遠い」「大きい」→「近い」という通常の概念と逆の結果が起こる、という実験なのだ、とは思ったのですが、この英文から、どうして、そうなるのか、読みとれませんでした。

高校生は、「問題がおかしいよ。こんな変な問題で時間費やす必要ない」と、あっさりしたものでした。でも、私は気になる。授業が終わってから、一人反省会です。

(以下は、上の文を一発で理解した方には、なにをグダグタ言っている!というようなことなんですが)

そこで思ったことは、aなのか、theなのかに注意すれば英文がずっとわかりやすくなることがあるんだなあということ。

最初に作者はshow him a piece of white paperと、不定冠詞aで、白い紙を初登場させています。

そして、If you tell him that the particular piece of paper is a business card,
で、先ほど登場した白い紙が、既に述べられた紙としてtheを使って表現されています。

さらに、Show him the piece of paper at the same distanceで、既出の紙であることを示唆させていますので、「名刺」として紹介された紙と「封筒」として見せられた紙は実は同じ物であることが、このtheでわかるんですね。

同じ紙を、同じ距離で「名刺だよ」「封筒だよ」と言えば、「封筒のほうが大きいはずなのに、さっきの名刺と同じ大きさに見えるのだから、さっきより、遠いということだな」と判断してしまう、という話。

そこを、さっと読みとれていれば、生徒の質問にも、すんなり答えられたのに、修行がたりません。

考えてみれば、furtherという比較級が使われているという事実が、比較対象の後に出てくることを示唆しているのだから、2番目の(   )に入るはず、と判断しても正解にはたどりつけてしまいますね。



posted by Monterey at 23:58| Comment(2) | TOEIC・文法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これは良く出来た問題ですね。でもここまでtheを自然に描写するって、高校生には酷ですよね。それよりもnearとfurtherで解いてほしかったのでしょうか。良い問題といえば良い問題ですが・・・。うーん、ちょっとどうなんでしょう。でも私にはとても勉強になりました!取り上げて頂いて有難うございます!
Posted by milk at 2013年04月13日 15:14
milkさん

そう言っていただけると、嬉しいです。私は、数字が出てくる話とか、このような空間把握の話などは、とっても苦手で、私だから一発でわからないだけなのかなあと不安に思いながら、ブログ書きました。milkさんの励ましの言葉、ありがたかったです。

大学入試の(特に有名私大の)2次試験は、難関な問題が多いですよねえ。悪戦苦闘することがよくあります。
Posted by monto at 2013年04月13日 20:54
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