2017年12月14日

ジャパンタイムズの記事から


最近のジャパンタイムズ紙から、二つの記事(の気になった英語表現)をご紹介したいと思います。

まずは、大谷翔平選手のエンジェルズ入団決定の話題。

Jason Coskrey氏によるコラムです。
彼(大谷)のMBLキャリアは6語で始まったとし、

"Hi. My name is Shohei Ohtani," he said with a smile playing out across his boyish features.

と続けます。play outは、特に辞書には載っていなかったのですが、wearshowの意味を、野球のplayにかけたのかなあと思いました。そして、日本語では、女の子に用いる「ボーイッシュ」ですが、英語では、日本語と同様の意味もありますが、「少年のような」という意味で、男性にも使うのですよね。

コラムはこの後、
Left unsaid was, "And I'm here to turn this game upside down.
と、書かれていました。

直訳は--言葉に表していない部分は「形勢を逆転するためにやってきました」--というようなことでしょうか。最初は、今年のエンジェルズの成績(よく知らないけど、少なくともワールドシリーズには出ていなかったから)が芳しくなかったので、それを覆すためにやって来た、ということを言いたいのか、と思ったのですが、この後のコラムの展開を読むと、前例のない二刀流を成功させて、メジャーリーグの歴史を塗り替えるためにやって来た、という意味かなあと思いました。

そして、エンジェルズファンだけでなく、
Deep down, even fans of teams who missed out on the two-way star have to be wondering what's in store now that he's in MLB.
(心の奥では、この二刀流スターを獲得できなかった他の球団のファンでさえ、彼がメジャーリーグに来たからには、どんなものを見せてくれるのだろうかと思っているはずだ)

in store: 持ち合わせて、用意して
Who knows what the future may hold [have] in store?未来が何を用意しているか(どんなことになるか)わかるものではない--研究社英和

さらに
As much as many baseball people like to stick to the tried and true, it's revolutionary enough the Angels are going to let Ohtani try his hand as a two-way player.

the tried and true
って、なんだ?この形!って、思ったのですが、英辞郎にこんな例文が

tried and true option実証済みの対策

as much asが悩んだのですが、「多くの球団関係者が実証済みのことに固執するのと同じ分だけ、革命的だ」ってことですよねえ。


「多くの球団関係者は従来の成功路線を守っており、それだけエンジェルズが大谷に二刀流を試させるのは革命に近いことだ」みたいな意味ですよね、きっと。

もう一つの記事は、ノーベル文学賞受賞のカズオ・イシグロのスピーチ。
"the pride we feel when someone form our nation wins a Nobel Prize is different from the one we feel witnessing one of our athletes winning an Olympic medal.
We don't feel the pride of our tribe demonstrating superiority over other tribes. Rather, it's the pride that comes from knowing that one of us has made a significant contribution to our common human endeavor. The emotion aroused is a larger one, a unifying one."

「自国の市民がノーベル賞を受賞したときに感じる誇りは、オリンピックで自国の選手がメダルを獲得したのを目撃したときに感じるものとは種類が異なる。
 自分たちの集団が他の集団より優秀だということを見せつけることにより私たちは誇りを感じはしない。それよりも、私たちの一人が、共通の人間の努力に対し、大きく貢献したことを知ることにより生じるのが、誇りである。湧き上がってくる感情はより大きいもの、より固いものである」

下線部の訳がよくわかりません・・・

スポーツの話をしてから、これを引用すると、矛盾している気もしますが・・・オリンピックやワールドカップで、異常な祖国愛を見ると、こんな気持ちになる私です(もちろん自国の選手を応援しますけどね)


posted by Monterey at 18:50| Comment(2) | 英語学習日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大リーグは移動が大変だと聞きますし、けがは完治したのでしょうか。大谷選手、活躍できるといいですね。私はきちんと和訳する癖をつけていないので新聞にしろ本にしろわからなくても曖昧なまま。montoさんは学生時代から英文解釈もきちんと学んでこられたのでしょうしお仕事柄だいじなことなのでしょうけれど、いつも記事を読ませて頂いてさすがだなと思います。

play outなんて句動詞があるのですね。「行動にあらわす、最後まで演じる、(綱などを)たぐりだす、尽きる、展開する」などの意味があるとは。本当に句動詞って難しい。オンラインだと
1. (tr) to finish: let's play the game out if we aren't too late.
2. (tr; often passive) informal to use up or exhaust
3. (tr) to release gradually: he played the rope out.
4. (intr) to happen or turn out: Let's wait and see how things play out.
とありました。ああ〜もう頭がパンパン。覚えきれません。


カズオイシグロさんのスピーチですが、ネットニュースにあがっていました。
該当箇所を含む区切りのいいところを貼り付けます

 ノーベル賞は他の偉大な賞と同じく、小さな子どもでも分かるようなシンプルなもので、それがきっとこれまで長く世界の人々の想像力をかき立て続けてきた理由でしょう。自分の国の人がノーベル賞を受賞したことで感じる誇りは、オリンピックで自国の選手がメダルを勝ち取ったのを見て感じるものとは違います。自分の部族がほかの部族より優れていることを示したからといって、誇りをもったりはしません。むしろ、自分たちのうちの一人が人類共通の努力に著しい貢献をしたことを知って得られる誇りです。わき上がる感情はずっと大きく、人々を融合させてくれるものです。

Posted by Lily at 2017年12月14日 22:40
Lilyさん

大谷選手は、今、手術後のリハビリ中です。でも、大きな手術ではなかったので、春季キャンプの頃には100%の体調になっているらしいです。二刀流の先駆者になってほしいです。play outも、ご紹介ありがとうございます。

また、イシグロ氏の訳文もありがとうございます。さすが、私の訳とは違って、ぎこちなさがないですねえ。

自国の人がノーベル賞を取ったときの誇りと、イシグロ氏はおっしゃいましたが、実は、私は、その誇りもおこがましい気がしています。ノーベル賞を受賞したのは、そのご本人の努力であって、たまたま、同じ国の国民である私は、嬉しく思うことはあっても、自分の誇りにはできない、と常々思っています。「同じ日本人として、誇りに思う」というセリフを聞くと、少し違和感を覚えてしまいます。
Posted by monto at 2017年12月15日 00:05
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